当院では、自費および公費によるワクチン接種を行なっております。
各種ワクチン接種の前に(インフルエンザ、肺炎球菌ワクチン以外は)、抗体価を測定することをお勧めいたします。
ワクチンは種類によっては入荷にかかる時間が変わりますので、ご注意ください。
ワクチン接種を希望の方は、事前にお電話にて予約してください。
インフルエンザワクチン
肺炎球菌ワクチン
ご高齢の方、慢性の呼吸器・循環器・腎臓・肝臓疾患をお持ちの方は、接種をご検討ください。
肺炎球菌には80以上の型が存在し、ニューモバックスNPワクチンは23の型に対応します。
これで肺炎球菌による肺炎の8割ほどに有効となりますが、肺炎の原因菌をすべて感染予防するものではありません。
日本では2009年から再接種が認可されていますので、初回接種から5年経過しており、かつ高齢・悪性腫瘍の治療歴(白血病や悪性リンパ腫、その他全身性悪性腫瘍)あり・骨髄移植や臓器移植を受けたことのあるなどの条件に当てはまる方は再接種をお勧めいたします。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹は、ワクチンで予防できます。
帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。
水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。
予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽症という報告があります。
予防や治療に関する詳しいことについては外来診察にてご相談ください。
麻疹、風疹、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン
成人発症の麻疹は、 重症の場合は肺炎や脳炎を合併することがあります。
風疹は、子供よりも発熱・発疹の期間が長く、強い関節痛を伴うことが多いです。
まれに脳炎や血小板減少性紫斑病を合併することがあります。
ムンプス(おたふくかぜ)は、片側または両側の耳下腺や顎下腺が腫れますが、成人発症の合併症には無菌性髄膜炎・脳炎・精巣(睾丸)炎・膵炎・聴力障害などがあります。
これらの流行感染症はワクチン接種により防ぐことができ、成人発症時の合併症の心配が無くなります。
各種ワクチン接種は、抗体検査で抗体価を確認してから検討することをお勧めいたします。
※妊娠中毒症の経過のある出産後の女性は、妊娠中毒症が十分に回復してから接種しなければならないので、該当の方は産婦人科の主治医に必ず相談してください。また、慢性腎不全のある方も、主治医に相談してください。
百日咳ワクチン
百日咳は不顕性感染があるので、高い抗体価を維持している人もいれば抗体価の低い人もいます。
ただ、11歳前後のII期接種には百日咳ワクチンが入っていないので抗体価の低い人が多くなっており、日本でも青年・成人の集団発生がみられます。
百日咳単独のワクチンは無いので子供用の3種混合(DTP)ワクチンを使用することになりますが、そのまま成人に接種するとジフテリアトキソイドの影響で高い確率で発熱などの副作用が出現するので、0.2mlに減量して接種します。
成人の百日咳は軽症ですが、新生児・乳児に感染すると呼吸器不全に陥り呼吸停止など命に関わることがありますので、新生児・乳児に接触する機会の多い成人の方は接種をお勧めいたします。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎母子感染(垂直感染)の予防と血液汚染事故後(医療関係者・患者様の針刺し事故)の感染予防は保険適応となります。
日常生活でB型肝炎ワクチン接種がお勧めされるのは、基本的に性交渉のある年齢のほとんどの方ですが、特にお勧めするのはご自身またはパートナーがB型肝炎ウイルスキャリアかB型慢性肝炎の方です。
B型肝炎ウイルス感染の母子感染はほぼ駆逐されつつあります。
しかし性交での感染(水平感染)は、基本的に初感染→潜伏期→急性肝炎発症(体のだるさ、黄疸などが出ます) となりますが、ウイルスの遺伝子型によっては初感染から慢性化・キャリア化するものもあります。
キャリア・慢性肝炎ともに肝臓がんのリスクが高くなるので、該当の方には予防接種をお勧めいたします。
疑問点などありましたら、外来診察にてご相談ください。
B型肝炎ワクチン接種の手順
● 問診、診察、血液生化学検査とHBs抗原検査を行います。
● 初回の血液検査を確認してから、1回目のワクチン接種となります。
● 2回目ワクチン接種の4週間後にHBs抗体価測定を行います。
中力価の抗体価の場合は約6カ月後に3回目接種、低力価しか抗体ができていない場合は同時に3回目のワクチン接種をします。
● 3回目ワクチン接種の4週間後にHBs抗体価測定を行います。
抗体価が高力価であれば3回のワクチン接種で終了、低力価または抗体ができていない場合は、ワクチンのメーカーを変更し再接種(最高3回まで)をします。
※3回接種で抗体ができない人は成人で10%前後です。
また、抗体ができても接種後8年以上経過すると約60%の人で抗体が消失します。ワクチン接種後の経過を有効性・安全性から評価するために、年1回の抗体検査をお勧めいたします。
A型肝炎ワクチン
A型肝炎は、A型肝炎ウイルスの経口感染(ウイルスの付着した飲食物を摂取することで感染)で発症します。
ウイルス感染後は30日前後の潜伏期間を経て発熱・食欲低下・黄疸などの症状を伴い発症しますが、基本的に急性肝炎の経過で自然治癒します。
しかし、重症の場合は入院が必要になる場合があります。
60歳未満の方は抗体保有率が低いので、抗体が陰性の場合は流行地域(日本を含めた先進国以外のほぼ全世界)へ行かれる前のワクチン接種をお勧めいたします。
国内産のワクチンは初回・2~4週間後・6カ月後の3回接種で、抗体持続期間は約5年です。
破傷風トキソイド
幼少期に破傷風トキソイドを型通り接種していれば20歳頃までは十分な抗体価があります。
それ以上の年齢の方は抗体価が低下するので、外傷や動物咬傷で受診し傷の汚染がある場合は破傷風トキソイドを投与します。
この場合は保険適応となります。
肺炎球菌ワクチン (ニューモバックスNP) |
8,800円 |
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帯状疱疹ワクチン | 9,000円 |
麻疹風疹混合(MR) ワクチン |
11,000円 |
ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン | 8,000円 |
破傷風トキソイド | 5,000円 |
B型肝炎ワクチン (ビームゲン) |
6,500円 |
A型肝炎ワクチン (エイムゲン) |
7,000円 |
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日本脳炎ワクチン | 8,000円 |
DTワクチン | 6,500円 |
インフルエンザワクチン (初回) |
3,500円 |
インフルエンザワクチン (2回目) |
2,500円 |
※表示価格は税込価格です。
※麻疹ワクチンは、時期により入手困難となる場合がありますので、価格が変動することがあります。
※インフルエンザワクチンは、予測される流行型により価格が変動します。